花火も火花もちりちりと
日本の夏の風物詩…花火。
あのさまざまな色ってどうやって出しているかなのだが…
高校で化学の授業をとった人なら覚えているかもしれないけど、
「炎色反応」という言葉がある。
金属(特にアルカリ金属やアルカリ土類金属、銅などの塩)を
炎の中に入れると各元素ごとのさまざまな色を出す。
高温の状態に金属の化合物や金属粉末を置くと、これらが熱エネルギーで
原子化する。この際に、金属原子の周囲に存在する電子が熱エネルギーに
より励起し、外側の電子軌道に移動する。
この電子が内側の軌道に戻る際に特定の波長の光を出す。
そんなわけで、花火に主に使われる金属と色は以下の通りである。
ストロンチウム(赤)
バリウム(緑)
ナトリウム、カルシウム(黄)
銅(青緑)
アルミニウム、マグネシウム(白)
このあたりの組み合わせで多種多様な色合いを出すのが日本の
伝統的花火となっている。
なんだかんだいって日本の花火は世界的にもかなり優秀だといえる。
なにしろ花火の色が途中で変わるのだから。
他の国にはなかなかそのような花火は存在しない。
花火の火薬は外側から燃焼していくが、この火薬を均一にまぶす
というのはなかなか高い技術力がいるわけで…ものすごく手間やら
時間やらかかるが、そのかわり花火人気は他の国よりはるかに高い
ものであり、その代償なのかもしれないな。
まったく独自の進化を遂げた日本の花火は、世界的にも高い評価を
受けていたが、近年は中国からの輸入が増えているようである。
しかし…なんだね。
精密な火薬燃焼における時間制御の技術…これある意味危ないぞ。
何が危ないかって?
いま北の国でさ、プルトニウム型核作ってるけどさ…あれ、爆薬の
制御が非常に困難なのが問題なんだけどさ。
いろいろいうと危険が及んだらまずいのでみなまでいわないが、
花火職人を守るのは大事だと思うんだ、うん。
それはさておき、金属どうしをぶつけあう時にでる火花も、原理的には
炎色反応みたいな感じなんだろうか。エネルギーの与え方が違うだけで。
…だとすると銅剣をぶつけあったときの火花は青っぽくなるのだろうか?
正直どうなんでしょう?
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